トラック情報は、単なる管理作業ではありません。
音楽がどれだけ見つけやすいか、どれだけスムーズに権利確認できるか、誰に連絡が届くか、そして共有されたときにファイルがどれだけプロフェッショナルに見えるかに関わります。
DISCOではトラック情報を簡単に編集・管理できますが、本当の価値はその情報をうまく活用することにあります。整理され、一貫性のあるメタデータは、チーム内の管理をしやすくするだけでなく、受け手があなたの音楽をよりスムーズに扱うために必要な情報も伝えてくれます。
この記事では、DISCOでトラック情報を編集する方法、各タブ(Metadata、Lyrics、Writers、Custom、Notes)の役割、特に重要なメタデータ項目、そしてダウンロードされたファイルにどの情報が書き込まれるかを確認する方法を学びます。
トラック情報を開いて編集する
DISCOでトラック情報を開く方法はいくつかあります。
トラック情報をプレビューするには、各トラックの Track Info アイコンにカーソルを合わせます。
Track Info のフルエディターを開くには、以下のいずれかを行います。
- トラックのプレビューから View full track info を選択する
- トラックメニューから Edit track information を選択する
- Track pane から View full track info を開く

複数のトラックをまとめて編集する
複数のトラック情報を一度に更新することもできます。
その場合は、以下のいずれかを行います。
- プレイリストメニューを開き、Edit all track metadata を選択する
- Shift または Command を使って複数のトラックを選択し、ペンアイコンをクリックする

Track Info エディターには Edit X tracks と表示されます。選択したトラック間で同じ項目に異なる内容が入っている場合、その項目には Mixed と表示されます。
一括編集を行う際は注意してください。メタデータの編集は元に戻せず、Edit All を使うと既存のメタデータを上書きしてしまう場合があります。
Track Info の各タブを理解する
Track Info エディターには複数のタブがあり、それぞれ役割が異なります。

Metadata
このタブには、トラックのダウンロードや共有時に MP3 や AIFF ファイルへ書き込まれる、基本的なメタデータ項目が含まれます。
タイトル、アーティスト、ジャンル、アートワーク、年、ISRC、コメントなど、標準的なメタデータはここで編集します。
Lyrics
歌詞は専用のタブで管理され、トラックメタデータの一部でもあります。
歌詞を追加することで検索精度が高まり、sync、A&R、クリエイティブ確認などのワークフローでもトラックを活用しやすくなります。
Writers
Writersタブでは、作詞・作曲者名、スプリット率、出版社、PRO情報を追加できます。
これらの情報は主に社内向けに使われますが、権利、所有関係、管理業務など、その後のワークフローを支える情報としても役立ちます。
作詞・作曲者情報はコンタクトデータベースに保存され、このタブを通じてトラックに紐づけられます。
Custom
Custom Fields を使うと、標準メタデータ以外の追加トラック情報をチームで管理できます。
これらの項目は、チームのワークフローに合わせて設定され、権利保有状況、契約日、社内コード、その他ビジネス固有の情報などに使えます。
Custom Fields は一部のプランで利用できます。
Tags
トラックタグは DISCO 独自の機能で、社内検索や DISCO Catalogs で使われます。
標準メタデータでは表しきれない情報、たとえばムード、エネルギー感、楽器編成、シーン用途、クリエイティブな印象などを補足するのに役立ちます。
トラックタグは単独のタグとして他の DISCO に引き継がれるわけではありませんが、Business Settings で有効にすると、ダウンロードされたトラックの Comments フィールドに書き込むことができます。
Notes
DISCO には 2 種類のノートがあります。
- Internal notes:自分のチームのみに表示されるノート
- Client notes:共有プレイリスト上で表示されるノート
ノートはトラックに関する補足情報を加えるのに役立ち、検索結果に反映される場合もあります。
まずは重要なメタデータ項目から始める
最初からすべてを埋めるのが難しい場合は、特に重要な項目から始めましょう。
最低限の基準としておすすめなのは、以下の項目です。
- Title
- Artist
- Comments
- Artwork
- Lyrics
これらの項目は、トラックが検索されたり、提案されたり、確認されたり、ダウンロードされたりする際に特に重要な役割を果たします。
Title は見やすく実用的に保つ
Title フィールドには、曲を明確に識別できる名前を入れましょう。
不要な情報を詰め込みすぎず、見やすく整理されたタイトルにすることが大切です。必要に応じてバージョン情報を含めるのは有効ですが、ひと目で理解しやすい状態を保つようにしましょう。
たとえば、メインバージョン、インストゥルメンタル、クリーンバージョン、アンダースコアなどを区別するのは有用ですが、過剰な補足情報や装飾的な表記を詰め込みすぎるのはおすすめできません。
Artist 名は一貫して使う
Artist フィールドには、アーティスト名を明確かつ統一された形で入力しましょう。
表記が統一されていないと、検索結果に混乱が生じ、カタログ全体の閲覧もしづらくなります。ひとつのアーティスト名がカタログ内で 3 通りの表記になっていると、そのトラックは見つけにくく、まとめて把握しづらくなります。
Comments には実務的な情報を入れる
Comments フィールドは、音楽業務の中でも特に便利なメタデータ項目です。
以下のような実務上重要な情報を入れるのに適しています。
- 連絡先情報
- 権利保有またはコントロール情報
- writer split の要約
- one-stop の状況
- 権利確認に関するメモ
- 必要に応じた社内参照情報
この項目があることで、そのトラックを誰がコントロールしているのか、どう進めればよいのかを素早く判断しやすくなります。
できるだけ Lyrics を追加する
歌詞は非常に価値の高いメタデータです。
検索性を高めるだけでなく、曲の感情的・テーマ的な内容を理解しやすくし、特定のテーマやキーワード、フレーズを含む楽曲を探す sync やクリエイティブのワークフローでも特に役立ちます。
一部だけの歌詞でも、何も入っていないより役立つことがよくあります。
Artwork を追加して、よりプロフェッショナルな見え方にする
Artwork があると、共有時やダウンロード時にファイルがより完成度の高い、プロフェッショナルなものに見えます。
また、受け手がフォルダ内、ダウンロード一覧、音楽プレイヤー上でトラックをすばやく識別する助けにもなります。
Genre は慎重に使う
Genre は、そのトラックの音楽的な方向性をできるだけ明確に表すものにしましょう。
ムード、テーマ、マーケティング的な表現などを Genre に詰め込みすぎないようにしてください。そうした情報は、タグ、歌詞、ノート、Custom Fields などで扱うほうが適していることが多いです。
Genre を明確にしておくことで、大きなカタログでもフィルタリングや閲覧がしやすくなります。
タグを使って社内検索を強化する
タグは、標準メタデータを超えてトラックを説明できる強力な方法です。
特に次のような情報に役立ちます。
- ムード
- エネルギー感
- 楽器編成
- ボーカルタイプ
- sync 用途
- シーンやブリーフで使われる表現
たとえば、uplifting、dark、driving、female vocal、cinematic、sports のようなタグを使うことで、あとからトラックを見つけやすくなります。
チーム内でタグの使い方が統一されているほど、検索はより有効になります。
チーム固有のワークフローには Custom Fields を使う
Custom Fields は、チームにとって重要ではあるものの、標準メタデータには収まりにくい情報を管理するのに適しています。
たとえば、以下のような情報です。
- 契約終了日
- 地域ごとのコントロール状況
- one-stop の状況
- 社内コード
- 出版状況
- 納品状況
これにより、DISCO は標準的な音楽ファイルのメタデータだけでなく、実際のチーム業務に合わせた形で使えるようになります。
ダウンロードしたファイルに何が書き込まれるかを知る
トラック情報は、すべてが同じようにダウンロードファイルへ反映されるわけではありません。
DISCO は ID3v2 metadata に対応しており、MP3 と AIFF には安定して書き込まれます。
一方、WAV ファイルは ID3v2 metadata を安定して保持できないため、WAV ダウンロード時のメタデータの挙動は一定しない場合があります。
ファイル共有や納品の準備をするときは、この点を理解しておくことが重要です。
どの情報が書き込まれるかをプレビューする
Track Info Preview を使うと、ダウンロードしたトラックにどの情報が含まれ、どの情報が含まれないかを正確に確認できます。
手順は以下のとおりです。
- Track Info エディターを開く
- Copy track info メニューを開く
- Preview track info を選択する
- Will write と Won’t write のタブを切り替える
これは、ファイルを送る前の最終確認として便利です。

なお、メタデータの更新は、そのトラックが保存されている他の DISCO には反映されません。
よくあるメタデータのミスを避ける
次のようなよくある問題は、トラックを見つけにくくし、内容を理解しにくくし、権利確認を遅らせる原因になります。
- 大文字・小文字の使い方が統一されていない
- タイトルが雑然としていたり分かりにくい
- Artist 名が入っていない
- 連絡先情報が不足している
- Lyrics フィールドが空のまま
- 権利情報が不明確
- ムードや説明を Genre に入れてしまっている
- カタログ全体でタグの付け方が統一されていない
こうした小さなミスでも、チームがスピード感を持って作業しているときには大きな摩擦につながります。
まとめ
良いメタデータは、音楽を見つけやすくし、理解しやすくし、権利確認しやすくし、より効率よく共有できるようにします。
DISCO には、トラック情報を編集し、情報を整理し、ファイルに何が反映されるかを確認するための柔軟なツールがあります。トラック情報をより整理され、一貫した形で管理するほど、あなたのカタログはチームにとっても、コラボレーターにとっても、受け手にとっても、より使いやすいものになります。
